ディベロッパーの方々からのご相談
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01用地取得
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02開発
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03売却・販売
用地取得におけるディベロッパーのお悩み
候補地は私道と接しており、開発する際には私道を掘削する必要がある。しかし、私道所有者の承諾が得られない。
開発を行う場合、ガス管、水道管等の敷設のために道路を掘削する場合があります。その際、本来は私道を勝手に掘削することはできません。
ただし、私道を掘削しなければガス管等を敷設できない場合であれば、承諾を得ずに掘削が可能です。その場合でも、掘削の際には私道所有者の損害が最も小さくなるようにしたり、あるいは私道所有者等に通知をする、償金を支払うといった必要があります。
以上のルールは近年の民法改正により定められましたが、これにより改正前よりもスムーズに私道の掘削が進むことが期待されます。
私道が絡む開発でお悩みの場合は、弁護士等専門家への相談をご検討ください。
複数土地を買い受けて初めて開発可能となるが、一部の土地や土地上の建物には賃借人が存在する。どのように用地取得を進めていけばよいか。
賃借人が存在する土地や建物については、賃借人の退去が完了した後で決済を行うという条件を売買契約に盛り込めれば、デベロッパーとしては、賃借人との間で退去に伴うトラブルを抱える懸念がなくなります。
一方で、そのような条件を盛り込むことを売主側が承諾しないこともあります。そのような場合、賃借人が退去しないリスクをデベロッパーが負うことになります。ただ、賃借人が将来的な退去には応じることを表明している場合であれば、即決和解手続きを利用することで、一定程度リスクを下げることが可能です。
即決和解手続きが関係する場合、契約書にどのような定めを置くべきか、あるいは即決和解手続きの流れなど、弁護士から助言を受けることをご検討ください。
借地権を設定して開発案件を進めることになりそうである。土地所有権を取得できる場合と比べて、どのようなリスクがあるか。
借地権を設定して開発案件を進める場合、定期借地権を利用することが多いと思われます。
定期借地権は、一定期間経過後に必ず土地を返還しなければなりません。この土地の返還を考慮したうえで定期借地契約の条件を定める必要があります。また、地代の支払義務は各区分所有者が負うことになりますが、一部の区分所有者が地代を滞納した場合の取扱いについてもあらかじめ定めておくべきです。
定期借地権の設定を受ける場合、土地所有権を取得できる場合と比べて配慮すべき点が多いので、十分な検討が必要となります。
定期借地権の設定を受けて開発案件を進めていく場合、どのような点に注意すべきか、それを条項にどのように落とし込むかなどの点については弁護士に相談することを推奨いたします。
隣地所有者との間で越境問題がある。どのように処理したらよいか。
隣地の建物が開発する土地に越境している場合、その土地を開発面積に組み込んで設計してよいのかという問題があります。また、隣地所有者との間で越境問題をどのように解決するのかも、合意できるならば合意しておくべきです。隣地所有者が越境を認めていて、将来的に解消することを認めているのであれば、そのような趣旨の合意をしておくとよいでしょう。なお、越境している場合、取得時効が成立しているケースもありますので、そのような場合は一定の金銭を支払って土地を取得するといった形での解決もあり得ることを念頭に置いておきましょう。
越境が絡む開発の場合、弁護士の助言を受けて進めることもご検討ください。
開発におけるディベロッパーのお悩み
パートナー企業と共同で開発を行う。協定の中ではどのような点に気を付けるべきか。
パートナー企業と共同で開発を行う場合、収益ないし損失の帰属比率を定めることは当然です。その他、幹事会社や幹事会社のアレンジメントフィー、各構成企業の担当業務、協議が成立しない場合の決定権の帰属についても定めておくのが通常です。また、開発後の売却についても、優先交渉権を付与する先や、売却の際の仲介業者の指定、売却が予定通りにいかなかった場合の処理についても盛り込んでおきたい事項があれば盛り込んでおきます。
協定に当たっては、リスクの洗い出しと対策、それをどのように契約条項に反映させるかが重要です。リスクヘッジのためにも弁護士に相談しながら進めることもご検討ください。
請負契約ではどのような点に気を付けるべきか。昨今の労務費、材料費高騰との関係ではどうか。
請負契約においては、請負代金、支払時期等について明確に定めておく必要があることは当然ですが、工事の内容や仕様についてもできるだけ曖昧な部分を排除しておくべきです。開発工事においては、往々にして追加工事が発生しますが、その工事が当初の請負契約に含まれる工事なのか否かが問題になることが多いためです。
また、労務費や材料費の高騰との関係では、請負契約後の高騰に応じて増額された工事代金を支払う義務があるかが問題です。なお、請負人から、労務費等の高騰を理由に請負代金の増額を主張される場合がありますが、そのような場合に備えた条項を請負契約内に盛り込んでおくことも考えられます。
請負契約を締結するに当たっては、これらのリスクを踏まえて契約条項を詰めていく必要がありますので、弁護士に相談しながら進めることを推奨します。
売却を睨んだ場合、アフターサービス、または契約不適合責任等についてどのように定めておくべきか
本来、開発した物件を売却したとしても、請負人(ゼネコン)に対するアフターサービスや契約不適合責任に関する権利は売主(デベロッパー)が保有したままで、買主には当然には移転しません。買主は、契約不適合等があった場合、売主に対して売買契約に関する契約不適合責任を追及することになります。しかし、デベロッパーとしては、買主から責任を追及されるのは避けたいところですので、買主が請負人(ゼネコン)に対して直接責任追及ができるよう、あらかじめゼネコンとの間で、ゼネコンが買主に対してアフターサービスや契約不適合責任を負うような合意をしておくことが考えられます。
アフターサービスや契約不適合責任については、スキームや合意書の作成などの点で弁護士への相談を推奨します。
追加工事費の支払いを求めて、ゼネコンが工事の進行や引渡しを拒んでいる。
民法上、工事代金の支払いが完了していない場合、ゼネコンは工事目的物(建物等)の引渡しを拒むことができます。建築案件の場合、さらに敷地についてもこのような主張ができるかも問題となります。
また、そもそも追加工事費の問題で工事の進行や引き渡しに影響が出ること自体、避けたいところです。それには、追加工事に関する協議をタイムリーに行い、合意された事項を何らかの形で証拠にしておくことが重要となります。
追加工事費に関しては日頃からの担当者の意識付けと実践が重要です。意識付けのために、弁護士のセミナーなどを利用することもご検討ください。
ゼネコンが、未払請負代金の支払いを求めて訴訟を提起してきた。
未払いの請負代金に関する訴訟は、多くの場合、当初の請負契約に関して未払いがあること、追加変更工事が生じ、追加変更工事にかかる請負代金の合意が存在すること、商法512条にかかる請求権があることといった論点の一部または全部を含みます。
また、発注者(デベロッパー)としては、施工不備を理由とする損害賠償責任があるとして相殺を主張するケースも多いです。
建築紛争は、以上の点に関する双方の主張・立証が各工事の項目について展開されます。争いになっている工事の項目が多いと主張立証の準備の負担が増えることになりますので、訴訟における獲得目標を定めたうえで効率的な主張立証を行う必要があります。
未払請負代金の支払いを求められたら、まずは弁護士への相談をご検討ください。
売却・販売におけるディベロッパーのお悩み
企画時点で売却先候補がいる場合、売却を見据えて契約書に定めておくべきことはあるか。
売却先候補が存在する場合、売却に関する条件をあらかじめ合意しておくことが理想です。また、売却先候補が売買代金を調達できなかった場合に備えて、交渉期限を定めておき、第三者との売却交渉が可能なようにしておく必要があります。
また、売却は時間的にかなり先になることも多いため、様々なリスクを想定し、それへの対策を契約条項に盛り込んでおくことが重要です。リスクの洗い出しとそれへの対策、契約条項への反映については、是非弁護士にご相談ください。
パートナー企業と共同売主になる予定だったが、急遽資金が必要になった。早めに資金を得るにはどうすればよいか。
通常、共同売主との間では、共同売主間の損益分配に関する協定が締結されています。その場合、その損益分配にかかる権利を売却することで資金を得ることが考えられます。売却先としてはパートナー企業か、またはパートナー企業が承認すれば第三者になることもあり得ます。
あるいは、すでに当該プロジェクトにおいて買主が存在している場合は、その買主に対する債権を譲渡することも考えられます。ただし、この場合は、通常、債権譲渡が制限されているでしょうから、債務者である買主から承諾を取っておいた方が安全です。
このような形で資金調達をしたい場合、弁護士に相談しながら進めることを推奨いたします。
分譲の場合、宅地建物取引業法との関係で注意すべき点はあるか。
宅地建物取引業者には、宅地建物取引業法上の様々な規制がかかってきます。
物件の売却・販売に際しては、重要事項説明や契約不適合責任に関する特約の制限などの規制が存在します。
他方、買主も宅建業者である場合、こうした規制の一部が適用除外となります。
プロジェクトを進めるうえで分譲を行う場合は、どのような規制が存在し、あるいは適用除外となるのかを把握したうえで計画を立てる必要があります。規制の有無によってプロジェクトの進め方は大きく異なりますので、弁護士に相談したうえで計画を立てることを推奨致します。
ディベロッパー向け顧問サービス
プラン | 月50,000円 (税込55,000円) |
月100,000円 (税込110,000円) |
月150,000円 (税込165,000円) |
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プランの選び方 | 頻繁に相談はないが、弁護士と繋がっていつでも相談できる体制にしておきたい | 日常的に相談したい | 弁護士が深く会社に関与して、法的課題を解決していってほしい |
基本業務の対応時間の目安(相談/契約書その他書類作成・チェック) | 2時間まで/月 | 5時間まで/月 | 9時間まで/月 |
顧問弁護士プランを月額50,000円(税込55,000円)、100,000円(税込110,000円)、150,000円(税込165,000円)の3プランをご用意しております。 なお、いずれのプランも、1年間の契約期間を前提としたものとなります。